「今年は夏が暑すぎた豪雨の影響も大きい」
こう話すのは甲子柿を作る農家の柏木幹彦さん(55)です。
柏木さんはトマトやナス、キュウリなども栽培していますが、いずれの作物も夏場の高温の影響で実が割れるなどの被害が出たと言います。

(柏木幹彦さん)
「9月に入っても30度以上の日が続いて柿の実が落ちてしまった」

甲子柿づくりではまだ青みが残る硬い実のうちに室に入れなくてはなりませんが、柏木さんによると、2024年は樹上でやわらかく熟してしまう実が多く、甲子柿づくりに使える実が少ないと言います。
さらに、室の中の温度を20度ほどに保つのが良いとされますが、10月半ばを過ぎても25度を超える日があり、室の温度管理にも気を遣うといいます。

「道の駅仙人峠」の駅長を勤める佐々木雅浩さんによると、出荷量は例年の3分の1程度に留まっていて、箱詰めの贈答用は注文に応えられない状況です。
釜石市は、甲子柿を農林水産省が所管する地理的表示保護制度に登録するなどして生産者への支援やPRに力を入れていて、一時は20人ほどに減った生産者もここ数年で新たにUターンした若い生産者など5人が加わり、盛り上がりをみせています。

甲子柿は11月中旬までが出荷の最盛期で、関係者は一日も早く秋らしい天候になることを期待しています。