たくさんの助けが必要
発災から10ヶ月、地震と豪雨の爪痕が残る町野町では、公費解体が再開されるなど復旧が再び加速しはじめています。
土砂災害や土石流、河川の氾濫の影響で、更なる長期避難を余儀なくされている方々、家屋の修繕や建て直しの目処が立たず、再建のための模索を続けている方々もたくさんいらっしゃいます。
そんな地域の人たちを助けようと、町野復興プロジェクト実行委員会さんが、NPO法人カタリバさんのお力を借りて、9/28に輪島市東部地区(町野町・南志見地区)のボランティアセンター(まちなじボラセン)を立ち上げました。
メンバーでもある地域唯一の医師、大石先生は、先日、「自分の庭が綺麗になっているみたいで、気持ちがいい」と言いながら、町野小学校に集積してあった土嚢袋を1人笑顔で黙々と災害ゴミ置き場に運んでいらっしゃいました。
その姿を見かけたさいはての谷内のおとうふさんも、一緒に泥の入った土嚢袋を車の荷台いっぱいにして、約20往復、災害ゴミ置き場へと運んでくださいました。

町野町には、誰に言われるでもなく、自分で動くことが出来る方々がいることを本当に心強く思うと同時に、改めて自分たちだけではどうすることも出来ないことばかりだと感じております。
これまでにも、長期間継続して町野町や能登地方で活動してくださっているボランティア団体のみなさま、個人や団体でボランティアに来てくださる方々が泥出しや復旧作業に入ってくださってきたこと、毎日のように炊き出しや、物資の支援が届いていること、発災直後から、全国や世界各国から奥能登豪雨の被災地への片付け道具などの支援を能登町の勇姿のみなさまをはじめ、たくさんの方が届けてくださっていること、どれひとつとして当たり前のことではありません。本当に有り難く、心強いことです。


一年のうちに二度の大きな災害に見舞われた能登地方は、これからもたくさんのみなさまの助けを必要としています。
深刻な人手不足の奥能登は、ボランティアさんの助けによって支えられています。いつも本当にありがとうございます。
今後もみなさまが関心を寄せ続けてくださり、手を差し伸べてくださいますよう、どうかお願いいたします。
MRO北陸放送では、被災地の声を集め続ける藤本さんが見つめる被災地の現状をNEWS DIGで、毎月掲載します。
藤本透
シナリオライター。アプリゲーム『ノラネコと恋の錬金術』メインシナリオライター。『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2』のシナリオ執筆に携わるほか、様々なジャンルでの執筆を手がける。石川県輪島市町野町出身で、石川県を舞台に描かれたアニメ「花咲くいろは」の小説版を執筆。2024年1月1日の能登半島地震発生以降、SNSを通じてふるさとの情報を日々きめ細かく発信している。