牛たちのかくれ家 関口晴実さん(28)
「一番よくあるのは足が痛い子たちなんだけど、立てなくなってしまうと自分の足で歩いて搾乳に行けないので、その子の寿命を終わらせてしまうという形になる。(酪農のサイクルから)外れてしまった子たち、行き場を失ってしまった子たちを助けたい」
こうした”行き場を失った牛”は毎年、何百頭、何千頭と出るわけではありません。でも、その命を救い、酪農とは別の生き方で全うさせる…。
そんな牛たちのための牧場が「牛たちのかくれ家」なんです。

関口さんの思いに、職場の上司は…
町村農場 町村均 社長
「すべてを救えるわけではないが、(人間の)生活の役に立てていくような発想を持ってやっているから、それはそれで1つのあり方なんだろうなと思う。応援するしがいがある」
築30年以上の牛舎は、雨漏りもするほど老朽化していて、電気や水も確保できていない状態でした。手持ちの資金も、あまりなかったため、自分たちで修理を始めました。

関口さんに共感し、協力してくれる仲間もいます。
牛たちのかくれ家 村上玲央さん
「(関口さんと)出会ったときはそういうことをやるとは全く知らなかったが本気なんだというのが分かって、自分も協力したいなと」

関口さんは、引き取った牛たちで、日本では珍しい、あることを始めようと考えていました。
牛たちのかくれ家 関口晴実さん(28)
「将来的には牛たちの癒やしの力を発揮してもらって、新しくセラピーCOWとして活躍してもらえたらうれしい」
牛のアニマルセラピーです。「COW HUG(カウ・ハグ)」といって、オランダやアメリカなどではイヌやネコ同様、牛たちと触れ合える牧場があるんです。