「選手に対して怒るということを藤本コーチができるかどうか」

―――藤川監督にコーチ経験がない点はいかがですか?
「ここがやはり、少し心配しているところです。21日、コーチングスタッフが発表されたんですけど、監督やコーチは、選手に気持ちよく戦ってもらえる、そういう雰囲気作りが今一番大切なんですよ。我々の時代と違って、やらされる時代から、選手がやる野球に変わってきているんで、監督とコーチでその環境作りをすごく大切にしてもらいたいんですけど、“怒る”というコーチも1人いないと。チームが緩むので。この顔ぶれの中で、一番怒れるポジションを任される人が、ちょっと見当たらないんですよ。そうなると総合コーチの藤本(敦士)コーチがその役割に回らなければいけないと思うんですが、藤本コーチは岡田監督時の2年間、サードのベースコーチをしていますよね。選手とすごく近い距離で2年間、一緒に野球やっていますので、選手に対して怒るということを藤本コーチができるかできないかっていうのは、来年の阪神が戦う上ですごく大きなポイントになる。藤本コーチが変わるかどうかだと思いますね」
―――来シーズンはヘッドコーチは置かず、総合コーチということですね。
「この総合コーチがヘッドコーチのポジションだと僕は思っています。星野(仙一)さんと島野(育夫)さんというすごくいい関係の監督とヘッドコーチがいました。星野さんはすごく厳しく、そのフォローは島野さんがちゃんとしていた。その関係を藤川監督と藤本コーチの中でできるかどうか。来年、戦う以上に僕は心配な部分です。チーム力はありますから、Aクラスには入ると思いますよ。優勝するために必要なのは、チームを緩めない、怒れるコーチ」
―――藤川監督は就任会見で、理想とするリーダー像について「岡田監督です」と述べました。また、「岡田監督が指揮をとった2年間は非常に強く、チームも成熟してきた」というような話もありました。掛布さんは岡田監督の2年間をどう見ますか?
「まだまだ伸びしろのあるチームというのは間違いないと思います。この2年間、すばらしい戦い方を岡田監督はしたと思うんですけども、クライマックスシリーズは、『岡田監督退任』の報道後ということで選手がもっと激しい戦い方をすると僕は予想していましたし、見たかったんですが、少し淡白な形で2つ負けて終わってしまった。その裏には何かいろいろあったのかなと。これは僕の宿題として調べてきます。(岡田監督が残したもの・功績を)藤川監督は引き継いでいくと思いますし、良い形、バトンを藤川監督が受け取って、藤川監督も次の世代にバトンを渡していって、強い阪神、常勝阪神というチームを作ってもらいたいですね」














