藤川監督が豊富な投手陣をどう整備していくかに注目

 ―――藤川監督が率いる阪神はどんなチームになりそうか。掛布さんは『投手を中心としたしっかり守る野球』になるとお考えのようですね?

 「甲子園球場を本拠地に戦わなければいけないチームですから、しかも阪神の今のチームバランスを考えれば、守る野球で戦っていくしか戦う方法はないんですよ。岡田監督の言った“相手を2点に抑えて、阪神は3点を取って勝つんだ”というこの野球は変わらないと思います。連覇するために投手陣を結構“酷使”してきましたので、その投手陣を、投手として実績がある藤川監督がどう整備していくかに注目したいですよね」

 ―――藤川監督が豊富な投手陣をどう整備し、まとめるのかが、掛布さんの楽しみなところでもあると。

 「桐敷(拓馬投手)は今シーズン70試合に登板しているんですよ。藤川監督も現役時代にこれぐらいの試合数の登板がありますので、そのオフのケアの仕方だとか、来年に向けての準備だとか、いろいろなことを桐敷に教えていくと思うんですね。そして、優勝を逃した原因の1つとしては、村上(頌樹投手)が勝てなかったこと。だから、この村上が復活するかですよね。さらに、最多勝に届くのではないかと大車輪の活躍をした才木(浩人投手)が2年続けて良い成績を残すためのオフの過ごし方など。たぶんこれから秋季キャンプに入ったときにいろいろ話し合うと思いますが、この2か月間のオフの過ごし方ってすごく大切なんですよ」

 ―――桐敷投手は70試合登板しましたが、来シーズンもこれぐらい投げられるのでしょうか?

 「それだけのスタミナはあると思いますよ。それと、2年連続最多勝の経験がある青柳(晃洋投手)は今シーズン2勝。『力のないベテランは必要ない』というような(藤川監督の)コメントがありましたが、まだまだ僕は青柳の力が必要だと思いますので、このあたりの再生というものも藤川監督には期待したいですよね」

 ―――今シーズン、抑え投手は2枚看板でいきました。これが来シーズンどうなるのか?

 「藤川監督はいろいろな形の組み合わせを考えて、また違う“JFK”、勝利の方程式を作ってくれるかもしれませんね。これも楽しみですよね」