米長期金利・為替はどうなるか?~金利低下のペースは緩やかだが長期化へ
リセッションや大幅利下げの可能性が低いと考えられ、長期金利が急速に低下する可能性は低い。しかし、インフレ鈍化が続けば、徐々に中立金利の見方が弱気化していくと、筆者は予想している。コロナ後のインフレ局面では利上げをしてもインフレ率がなかなか鈍化しなかったため、中立金利が高まっているという見方が台頭した。前述したように、中国経済の成長鈍化といった外的要因が主導したとしても、今後想定されるディスインフレ局面が長期化すれば中立金利の見通しは低下していくだろう。26年には中立金利以下の水準まで利下げをしていく可能性があり、長期金利はコロナ前に中立金利の水準と見られていた2.5%程度までは低下していくと、筆者は予想している。なお、ドル相場については25年はリセッション回避の安心感で小幅にドル高が進み、26年以降は利下げ長期化によってドル安が進むだろう。ドル円で言えば、25年は150円台前半で推移し、26年には140円前後までドル安円高が進むと想定される。
(※情報提供、記事執筆:大和証券 チーフエコノミスト 末廣徹)