千曲川の決壊で地区の全ての家が全壊…

2019年10月13日。

千曲川の堤防が決壊し、津野地区では73世帯すべての家が、全壊となりました。

2019年10月13日

変わり果てた渡辺さんの自宅。

最盛期を前にした畑のリンゴも泥に覆われました。

リンゴ農家・渡辺美佐さん:
「このへん一帯は、泥が30センチくらい溜まっていまして、住宅から流れ出たゴミとかがれきが、畑いっぱい広がっていた」

支えてくれたのはボランティアでした。


渡辺美佐さん:
「30センチの泥の根の周りをかいていただいて、リンゴの木に息をさせようとボランティアが助けてくれた。なので今こんなに元気に育ってくれています」

生活の再建だけでなく、地域に再び活気を取り戻そうと、渡辺さんは『津野女子会』を立ち上げました。

被災1年後の2020年の女子会のやりとり:
「1年の追悼イベントをやるっていう話が出ている」
「大きな字を書いて、周りに住民が集まって風船を飛ばすところをドローンで撮ったら、すごくいいのでは」

この地で暮らし、農業を続けようとする女性たちが、地域の将来を話し合うため定期的に意見を交わしてきました。

また、渡辺さんは、住民の有志とともに長沼地区に訪れるきっかけとなるようイベントも始めました。

摘果した実を有効活用しようと、リンゴを飛ばした距離を競う『てっかりんご飛ばし大会』です。

2024年の大会には、2歳から69歳まで、およそ100人が参加しました。

渡辺美佐さん:
「イベントが開かれることで、長沼(津野地区)が頑張っているよ、復興できたよということがみなさんに分かってもらえればいいなと思っています」