「袴田事件」という名前「何とも思っておりません」

――この事件はずっと「袴田事件」と呼ばれてきましたが、この名前についてはどう感じていますか?

たまたま「袴田事件」っていう名前で、(巌さんや自分の)名前が出ちゃったんですが、そのことについてはね、別段何とも思っておりません。

「袴田事件」であっても、「こがね味噌事件」であっても、事件そのものには関係ありません。

事件そのものというよりも、冤罪事件っていうものをもっと認識していただきたいと思います。

――その認識を広げるためにも、いろんなメディアの発信はとても大事になってきます。ひで子さんのこれまでの人生が漫画になっていて、今、多くの方に読まれてますね。

たまたまそういうことになって、名前が知れちゃっているんですが、別に私は有名人でも何でもありませんしね

「元死刑囚の姉である」っていう事には間違いありません。

だからそういう見方は私はしてないですが、ともかく皆さんに事件のことを知って、こういう事件があったよっていうことを改めて認識していただきたいと思っております。

――ひで子さん、ありがとうございました。

(荻上チキ・ Session 2024年10月4日の放送より)

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<聞き手>

荻上チキ:

評論家。メディア論を中心に、政治経済、社会問題、文化現象まで幅広く論じる。NPO法人「ストップいじめ!ナビ」代表、「社会調査支援機構チキラボ」所長。著書『ウェブ炎上』『いじめを生む教室』『みらいめがね』など。

南部広美:
フリーアナウンサー。日本短波放送で株式市況、経済ニュースを担当後、J-WAVE ニュース室勤務 アナウンサーとして7年間勤務。 J-WAVE “ Jam the world”、“Tokyo コンシェルジュ”、“みうらじゅん安西肇の GOLDEN TIME”NHK BS “こだわりライフヨーロッパ”ほか、CMナレーションなど多数。