梨がみずみずしいまま1年2か月保存できる…1か月前のレタスがシャキシャキなまま…そんな食品保存の常識を覆す長期保存の新技術が注目されています。

レタス、まいたけ、えのき、食用花も鮮度をキープ

10月3日、東京・渋谷にある「ZEROCO」を取材すると、数々の生鮮食品が保存されていました。

ZEROCO 社長 楠本 修二郎さん:
「約1か月経ったレタスですけれども、採れたてのような状態。まいたけは半年、エノキも4~5か月経っています。」

通常は3日ほどしか日持ちしないという食用花も、ここでは1.5か月間鮮度を保ち続けているそうです。

冷蔵庫でもない、冷凍庫でもない。徹底的管理された“第三”の環境

食品の長期保存を可能にするZEROCOでは、徹底的に環境管理がされています。
一般的な冷蔵庫と比べて大きく違うポイントは2つ、「温度」と「湿度」です。

≪1≫ 温度
▶一般的な冷凍保存の温度は:18℃前後
 細胞内に含まれる水分が凍り付き膨張。その際に細胞に傷ができてしまいます。
 そして解凍した際には、その傷から水分が逃げ、鮮度が低下します。


▶ZEROCOでは:0℃を徹底的にキープ
 ギリギリ凍らない0℃の環境下にすることで、膨張による傷が発生せず細胞を傷つけません。

ZEROCO 社長 楠本 修二郎さん:
「0℃にキープするという研究は、30年以上前に我々の大先輩からなされていた。
具体的に技術研究に入り、十数年それを積み重ねてやってきたのがこの技術です」

≪2≫ 湿度
▶一般的な冷凍保存の湿度は:約60%
 この状態だと水分が逃げてしまい、食品が乾燥 劣化のスピードが早まります。

▶ZEROCOの湿度は:常に100%弱をキープ
 食品が乾燥しないので新鮮さを維持できるといいます。