「テレビニュースは観ない。最も身近なメディアはSNS」
なぜ、ハリス氏やトランプ氏の発言よりもスウィフトさんのSNS投稿の方が大きな社会的なインパクトを与えたと言われているのか。その背景にはアメリカにおけるメディアの影響力の変化がある。
「18歳から35歳以下の若い世代はテレビでニュースを観ない。最も身近なメディアはSNSであり、スウィフトさんのようなインフルエンサーからの発信なのだ」。政治学が専門のジョージア大学のチャールズ・ブロック教授はそう指摘する。
アメリカの調査機関が今年実施した調査では、18歳から29歳のアメリカ人の多くがSNSで日常的にニュースにアクセスしていると回答している(多い順に「Snapchat」53%、「TikTok」45%、「Reddit」43%、「インスタグラム」39%、「X」38%)。
実際にスウィフトさんの影響力は絶大だった。SNSの投稿ではハリス氏支持とともに、どちらの候補を支持するかにかかわらず大統領選挙に参加するよう呼び掛けていて、彼女のSNSを経由した有権者登録のWebサイトへのアクセスは24時間で33万人を超えたのだ。
ブロック教授は「30万人を超える人が有権者登録にアクセスしたのは本当にすごい結果だ。投票は習慣化することが非常に重要であり、選挙が身近ではない若者に投票のきっかけを作る意味でもテイラー・スウィフトのメッセージは大きな意味があった」と評価する。
