遠軽・石崎主将「花園には旭川・空知合同チームと一緒に戦うつもりで臨みたい」
風下の前半、強い風の中で、なかなかラインアウトが安定せず合同チームにリードを許した遠軽。風上の後半に入ると見事に修正します。後半開始1分、キックで敵陣深くまで攻め込むと、正確なラインアウトからしっかりとしたモールをつくり、一気に押し込みます。遠軽から詰めかけた大勢の応援団を背に、20m以上を押し切ってそのままトライ。鍛え上げられたFW陣が伝統校の底力を発揮して、12対10と2点差まで追い上げます。
モール攻撃に絶対的な自信を持つ遠軽はさらに7分、再び的確なキックで合同チーム陣内22mライン付近まで攻め込むと、ラインアウトからモールをつくって合同チームのゴールラインに迫ります。ゴールライン直前でモールは崩れますが、タイミングよく突っ込んできたロックの市川晴選手が、鋭い突破をみせて中央にトライ。ゴールも決めて、17対12とついに逆転しました。
残り時間は20分以上、ここからは、お互いが相手の強みを消しあう一進一退の攻防が続きます。ボールをつなぎながらスピードのあるアタックを仕掛けてくる合同チームに対して、FW陣が上手く絡んで連続攻撃を許さない遠軽。逆に合同チームは、相手チームの武器であるモールを回避するために、自陣でのラインアウトになる局面を避けながら試合を進めていきます。
息詰まる攻防が続く中、試合を動かしたのは合同チーム。16分、途中出場の2年生・橋詰遙斗選手が、自陣からスピード抜群のランニングで一気に遠軽ゴールラインに迫ると、フォローしたフランカーの吉田選手がタックルを引きずりながらトライ。17対17の同点に追いつきました。しかし、ゴールを狙ったコンバージョンキックは惜しくも外れ、勝ち越しとはなりません。
同点で迎えたラストの約15分、この後は花園を目指す両チームの気迫と執念がぶつかり合います。ボールを継続して攻める合同チーム、的確なタックルとフィジカルで跳ね返す遠軽。手に汗握る攻防が続きます。しかし、両チームとも大事なところでボールが手につかず、大きなチャンスをつくることができません。そのままロスタイムに突入して、ついにノーサイド。北北海道大会は、17対17の引き分け。両校優勝で幕を閉じました。
健闘を称えあった両チーム。花園への出場権は、トライ数とトライ後のコンバージョン数も同じため、抽選にゆだねられました。そして抽選の結果、遠軽が2年連続12回目の全国高校ラグビー大会への出場権を獲得しました。遠軽高校の石崎比呂キャプテンが「花園には、旭川・空知合同チームと一緒に戦うつもりで臨みたい」と語り、両チームともに涙が止まらなかった結末。会場では、最後まで惜しみない拍手が鳴りやみませんでした。
▼第104回全国高校ラグビー大会 北海道地区決勝
<南北海道大会>
札幌山の手 33-7 函館ラ・サール
<北北海道大会>
遠軽 17-17 旭川・空知合同(芦別・富良野・羽幌)
両校優勝。抽選の結果、花園への出場権は遠軽が獲得。














