毎年、年末年始に東大阪市花園ラグビー場で開催される全国高校ラグビー大会。南・北北海道大会の決勝戦が9月28日、札幌市の月寒屋外競技場で行われ、聖地に立つ代表校が決まりました。

「南北海道大会」札幌山の手 vs 函館ラ・サール

 午前11時に始まった南北海道大会の決勝は、2年連続22回目の出場を目指す札幌山の手高校と、道下有数の進学校でありながら過去3度の花園出場を誇る函館ラ・サール高校の対戦。

 前半は、去年に花園を経験したメンバーが4人残る札幌山の手が、風上を利用して優位に試合を進めます。函館ラ・サールが繰り出すライン攻撃を、規律の取れたディフェンスで跳ね返すと、高校日本代表候補にも選出された吉川昌宗選手、ニュージーランドからの留学生タレマイトガ・ウルイラケバ選手といった屈強なフィジカル持つプレイヤーが密集サイドでプレッシャーをかけて、函館ラ・サールのペナルティーを誘発。キックを有効に使って敵陣深くまで攻め込みます。

 そして開始7分、ゴール前5mのラインアウトからモールをつくって押し込むと、最後はプロップの白幡塁斗選手が力強い突破を見せてトライ。ゴールも決めて7点をリードします。さらに16分、今度は敵陣22mラインの外側からモールを巧みにコントロールして一気に前進すると、キャプテンの古谷飛翔選手が、2人のタックルをはねのけて左隅にトライ。12対0とリードをひろげます。

 縦に強い札幌山の手の攻撃を、低く鋭いタックルで食い止めていた函館ラ・サールですが、平均体重で10kg以上上回るFW陣が一塊となって攻めてくるモールの圧力を止めることができませんでした。それでも、点差は12点で2チャンスで挽回可能。過去の大会では、同じような状況から逆転した実績もあるだけに、函館ラ・サールもここから反撃を試みます。持ち味のスピードを生かした攻撃で、札幌山の手陣内に入り込むと、23分からは2分以上にわたり相手をゴールラインにくぎ付けにして攻め込みます。しかし、札幌山の手の粘り強いディフェンスの前に、あと一歩のところでトライに結びつけることができません。最後は、インゴールに持ち込もうとしたボールがノックオンとなって得点ならず。12対0のまま札幌山の手リードで前半を折り返します。