関西大学で『サンゴを増やす研究』がこれまでとは少し違った手法で進められています。人間の『再生医療』の専門家と小学5年生の研究者の挑戦を取材しました。

日本初!「人間の再生医療技術」を活用して“サンゴ増殖”目指す

 関西大学・化学生命工学部の研究室。ここでは『サンゴを増やす研究』が進められています。プロジェクトの指揮を執るのは上田正人教授です。6年前、研究室に水槽を運び入れてサンゴの研究を始めました。ただ専門分野はサンゴではなく「人間の再生医療」です。
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 (関西大学・化学生命工学部 上田正人教授)
 「この水槽の中にいるのは魚以外は実は全てサンゴになります。周りからは遊んでいると思われるのですが。(Q専門ではないサンゴに関心は?)最初は全く、正直言いますとゼロです。サンゴと(人間などの)脊椎動物における骨格形成というものが非常に似ていることに気づきまして。そこからは急に180度変わってのめり込んでいったという感じになります」
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 再生医療では、骨とくっつきやすい性質を持つ金属のチタンでできた人工骨と人間の骨をつなげる研究をしてきました。上田教授はこのチタンを“サンゴの増殖に活かせるのではないか”と考えます。
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 水槽の中でチタンの上にサンゴの断片を移植。するとサンゴはチタンを自らの骨格の一部と錯覚して成長していくことが確認できたのです。再生医療の技術を用いて効率よくサンゴの増殖を目指すのは日本初の試みだといいます。

 (関西大学・化学生命工学部 上田正人教授)
 「本当のサンゴ専門家の先生たちがやられている研究とは違うアプローチで」