東日本を襲った台風19号。記録的な大雨により多くの河川が氾濫し、本宮市でも甚大な被害がでました。「糀和田屋」も店のすぐそばを流れる阿武隈川が氾濫し、工場の中にまで水が流れ込みました。
--三瓶さん(糀和田屋 10代目)「全部泥水に浸かった状態で、いろいろなものが浮いたりしている状況だったので。これは大変なことになったなというのがその時の気持ちだったんですけど。」
製造の基盤となる機械類がすべて水没。工場の再開が見通せなくなりました。それでも三瓶さんは「店をやめることは考えなかった」と話します。
--三瓶さん(糀和田屋 10代目)「災害の後でも取引先の方とか「大変でしょうけど商品待ってますよ」とお客様の励ましの声も結構いただいたので、早くお届けできるようにしないとという思いのほうが強かったので、やめることは考えなかったですね。」
台風の被害からおよそ4か月後。乾燥糀や甘酒など一部の商品の製造を再開。さらに1年ほどかけて、工場全体の復旧が終わりました。周りに廃業する店も相次ぐなか、「地域ににぎわいを作りたい」と去年7月、店舗を大幅にリニューアル。
店内には初めてイートインスペースを設け、塩こうじを使ったソフトクリームや生地に甘酒をつかった中華まんなど、ここでしか食べられない糀を使った新しい商品の提供を始めました。
このほかにも、糀入りのヨーグルトシュガーやかりんとうなど、新たな商品を次々開発し、糀の魅力発信に向けて奮闘を続けています。
--三瓶さん(糀和田屋 10代目)「昔からの味噌、醤油、甘酒、糀というのは大切な柱になっている。糀をもっと取り入れてもらえるように、もっといろいろな使い方ができるようにお客様に提案できるような商品をつくっていきたいと思っています。」
度重なる災害にも負けず、前を向いて挑戦を続ける糀和田屋。先代たちから受け継いだ伝統を守りながら、糀の魅力発信と新たな価値の創造に取り組んでいます。
『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2024年9月26日放送回より)