世界選手権まであと1か月、今は「次の世代につなぐための黎明期」

世界チャンピオンを目指して今年も挑戦の季節がやってきました。日本代表をかけた選手権。

(パラサーファー・藤原智貴選手)
「世界戦の話をしていました。一緒に行っているメンバーなので。ハンティントン・ビーチ、オレンジカウンティっていう最高の所です。ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーも近い」

競技は義足や膝立ち、視覚障害や腹ばいなど九つのクラスに分かれています。藤原選手は腹ばいで補助が必要なクラス。ピッチャーらと波の機嫌を読み合います。

(藤原選手のピッチャー・佐藤 裕昌さん)
「上手な人ってここの波こういう風に見ているんだなって、僕だとトレーニングしてフィジカルで波に立ち向かっていこうをテーマにしてやったりするんですけど、力じゃないからサーフィンはって言われると」

体の自由を奪われてもずっとどう触れ合えばいいか考えてきました。

(藤原選手のピッチャー・佐藤 裕昌さん)
「いまの波、よかったねって。誰かと一緒に同じ波を目指して、漕いでって、波に乗って、どうだったいまのっていうやりとりをいままでしたことなかった。それが斬新で、楽しくて」

15分の試合を2回。最高の波を求めて何度も沖に出ては仲間と喜びを分かち合います。

「優勝は藤原智貴選手です」

愛好者は増えています。ただ、念願だったロスパラリンピックの正式種目にはまだ決まっていません。

(パラサーファー・藤原智貴選手)
「次の世代につなぐための黎明期ってこういうものなのかなって思いますけど、誰かがやらないと広がらないし、介助犬もそうですけど。それが整うのを待っていたら僕の人生が終わってしまう。何も変わらず終わっちゃったってなるじゃないですか」

波は生きる喜びまで奪いはしませんでした。世界選手権まであと1か月。初のチャンピオンを目指して仲間と沖に向かいます。