「今回もダメだったと自分を否定」体外授精10回以上の末に『卵子提供』を選択

大阪府に住む香澄さん(仮名)。36歳から3年間不妊治療を続け長男を授かった。だが、その後、第二子のため体外受精を10回以上続けたが、妊娠できなかった。

香澄さんは時間の経過とともに、精神的に追い詰められていった。

香澄さん(仮名)
「妊娠判定の陰性が何回も続くと、やっぱり病んでくるというか、生理がきたタイミングで自分の出血を見て、今回もダメだったんだっていう、自分を否定してしまうタイミングが一番悲しかった。なんか打たれているのにそこからゾンビのように立ち上がっていくみたいな…」

子宮の検査や子宮を活性化させる治療、漢方、鍼灸など何でも試した。気付けば家を買うための貯金など1000万円以上をつぎ込んでいた。

香澄さん(仮名)
「(不妊治療の領収書が)札束みたい…。1回の支払が27万とか、次の支払が30万、次が38万。採卵すると100万ぐらいが飛んでいきますね。またダメだったのか、また次みたいな、ギャンブル依存症みたいな感じでしたね」

妊娠しないのは何故か…海外の検査機関で受精卵を調べてもらうと、全ての受精卵に染色体異常が見つかった。自分の卵子での妊娠を諦めた結果、行きついた選択が「卵子提供」だった。

香澄さん(仮名)
「私としては卵は子どもの原型というか、会いたかったし育てたかったんですけども、この検査結果は衝撃というか…。自分の卵では無理なんだなというのを痛感させられました。『卵子提供』の可能性があるなら、そこにかけたいと思いましたね」

香澄さんは仲介業者を通して20代の日本人ドナーの卵子を提供してもらい、45歳でついに次男を授かった。かかった費用は500万円だった。

香澄さん(仮名)
「不妊治療の期間が苦しかったので、それに勝るものはないというか、本当に生まれてきてくれて、ただただ嬉しかったです」