■親の変化に気付いたとき 子どもがするべきことは
今年は制限のない夏休みだったことで、帰省後の相談が増えていると川内さんは話す。しかし、「親を一人で置いておくのが不安だから実家に帰って面倒をみる」というのは“親のため”ではなく、“自分の不安の解消のため”にすぎないのではないか、という。
では、親の変化に気付いたとき、どうしたらいいのだろうか。川内さんによると、まず、親が住む地域の「地域包括支援センター」に相談してほしいとのこと。その地域に住む高齢者や家族が幅広く相談できる窓口で、無料で相談できる。親自身が嫌がった場合も親の許可は必要ない。また、匿名での相談も可能だ。ほんのちょっとのことでも早めに相談しておくと、本格的に介護が始まるときにスムーズな連携がとれるということだ。
“自分が面倒をみなくては”と考えてしまいがちだが、外部サービスを使って介護を行うことは十分可能であると同時に、最初に自分が介護することを前提としてしまうと、親との関係が悪くなることから途中でやめられなくなることも考えておいた方がいいそうだ。
夏休みに受けたショックから実家に帰ってのテレワークを考えている人がいたら、本当にそれが最善の方法なのか、もう一度じっくり考えてみてもいいのかもしれない。