学習の枠に収まらない「体験」への支援も
さらに、チャンス・フォー・チルドレンでは、スタディクーポンとは別に、スポーツ・音楽・芸術・伝統芸能・ものづくりなどの体験活動で使える「ハロカル奨学金」という制度も始めています。
提携先である東京・墨田区の団体「SSK」では、キャンプなどの体験学習のほか、小さい子ども用に巡回型の無料の遊び場を提供する活動をしています。

「SSK」会長 須藤昌俊さん
「メンバーのほとんどが、その子たちが小学生の時とかに一緒にキャンプに行った子たちがスタッフとして帰ってきてくれている。それはやっぱり自分が子供の時に受けたキャンプがすごく良かったんで、今度、自分がそれを提供する側になりたいっていうので、一緒に戻ってきてくれてキャンプを一緒にやっているっていうような形です。
我々のキャンプに参加してくれた子とかは、遊び場にも来て、ちっちゃい子と一緒に遊んでくれたりなんかもします。
キャンプですと、やっぱり子供が持ってきたチラシに対してそれに親が申し込むというステップが必要になってくるんですね。でもこの遊び場の授業は、通りがかった時になんか楽しそうなことやっているなっていうので、親の意思関係なく子供が自主的に自由に参加できるっていう場なので、そういった意味ではこの遊び場の活動っていうのがもっと広がっていくと、子供の中での体験格差っていうのも少なくなっていくんじゃないのかな、なんていうのは思っています」
家庭の経済事情で学習の芽を摘んでしまうのは、子どもにとっても残念なことです。
チャンス・フォー・チルドレンの今井さんによると、スタディクーポンのような政策を民間の寄付ではなく自治体が政策として取り入れている事例も増えているそうで、こうした取り組みが広がれば、子どもたちがやりたくても諦めなきゃいけないということが減っていくのではないでしょうか。
(TBSラジオ「人権TODAY」担当:進藤誠人)