“プラズマ”で作物に効果いろいろ

シャープ株式会社が行なっている研究では、
イネの種をまいた直後からプラズマクラスターイオンを直接照射することで、イネが最大約4倍長くなり、エネルギー生成を指示する働き(遺伝子発現)も最大約3倍に増えたということです。
早く育つことで、食糧生産向上の一助となる可能性もあります。
恵俊彰:
この狭い日本で食料自給率を上げるのは最大の課題だろうから、すごいねこの研究は。


さらに九州大学のプラズマナノ界面工学センターでは、人工的に作ったプラズマを肥料として活用する研究を行っています。
プラズマ照射をした腐葉土でトマトやカイワレダイコンを育てると、化学肥料と同様に発芽が早くなったという結果も出ています。
化学肥料は化石燃料を使って製造するので、大量の二酸化炭素が発生します。
古閑教授は、「プラズマを使えば空気と水と電気(太陽光発電)だけで肥料にすることができる」と話します。
恵俊彰:
プラズマを使えば温室効果ガスを抑えることができるということですね。
九州大学 古閑一憲教授:
そうですね。そう期待して今研究開発を進めています。
恵俊彰:
プラズマの農業における可能性はどのように感じていますか?
九州大学 古閑一憲教授:
かなり皆様から興味を持っていただいている状況で、できるだけ早く実用化に結び付けたいと考えています。
コメンテーター 渡辺満里奈:
やっぱり自然ってすごい。そういえば雷って「雨」に田んぼの「田」だなと。昔の人は知ってたんでしょうね、きっと。
恵俊彰:
雷のマイナス面しか考えてなかったです。どうやって逃げようとか。
コメンテーター 山之内すず:
私、家庭菜園もちょこちょこするので、そういうのにも活用できるようになったらまた楽しくなるなと。
恵俊彰:
先生、プラズマを携帯できるようになってくるんですか?
九州大学 古閑一憲教授:
ぜひそういうことを考えたいなと思ってます。実際に小さい個人用で使えるプラズマもできる限り開発していきたいと思っています。
弁護士 八代英樹:
化学肥料は石油の塊なので、それを使わなくなるのは夢のようだと思いますね。
(ひるおび 2024年9月16日放送より)
==========
<プロフィール>
古閑一憲氏
九州大学 プラズマナノ界面工学センター教授
プラズマの基礎研究や製造技術の開発に携わる