この春から原爆の体験を語り始めた92歳の被爆者が、ハワイのパールハーバーを訪れました。今回の訪問は、平和公園と姉妹公園協定を結んだパールハーバーを知ろうと、企画されたものです。現地を訪れた被爆者の思いを取材しました。

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92歳の被爆者、才木幹夫 さん。13歳のとき、爆心地から2.2キロの自宅で被爆しました。90歳を超えて「被爆者が伝えなければ」という思いが高まり、4月から被爆体験を語っています。

被爆者 才木幹夫 さん(92)
「あー懐かしい。これは懐かしい」

RCCの社員だった才木さん。ディレクターとして音楽番組などを制作してきました。

証言者になって4か月ー。パールハーバー行きは自ら応募しました。

才木幹夫 さん(92)
「あまり何年も活動ができないなと思っても、できるところは行こうという気持ちはあるわけです」

日本軍の奇襲攻撃で多くのアメリカ兵が亡くなった真珠湾攻撃。パールハーバーは、太平洋戦争の始まりの地として知られています。

広島市は去年、アメリカ政府の提案を受け、平和公園とパールハーバー国立記念公園との「姉妹公園協定」を結びました。しかし、一部の被爆者や市民団体から「米軍の基地にある “戦争の記念館” であり、協定はふさわしくない」として、反対の声も上がっています。