映画化も「ハワイアンズ」の歩み
1884年に設立された磐城炭礦(いわきたんこう)を源流とする常磐興産は、エネルギー革命による石炭の需要が減少する中で、新たに観光業に進出。
1966年に常磐ハワイアンセンターを開業し、1990年には、スパリゾート・ハワイアンズに名前を変えて、現在に至ります。
2011年の震災と原発事故の際には、フラガールたちが、全国の避難所などを訪問し踊りを披露して、被災者を励ましました。そして10月には、営業を再開。映画「フラガール」に出演した蒼井優さんや南海キャンディーズの山崎静代さんが駆けつけ、復活を喜びました。
震災と原発事故、そして新型コロナと、何度も苦難を乗り越えてきたハワイアンズですが、施設の老朽化に加え、少子高齢化により、主な客層であるファミリー層の減少が見込まれ、大規模な設備投資が難しい状況となっていました。
こうした中、今回、常磐興産を買収する「フォートレス」は、アメリカの投資ファンドで、ホテルやゴルフ場の運営を手がけています。今年には、宮崎市にある「フェニックス・シーガイア・リゾート」に投資したことでも知られています。
いわき市の内田市長は今回の買収について、「観光業界での厳しい状況を勝ち抜いていくための経営判断だと受け止めている」としつつも、「雇用はしっかり守り、地域との対話を大切にしてもらいたい」とコメントしています。