映画『フラガール』の舞台にもなった、福島県いわき市の「スパリゾートハワイアンズ」。
9月10日、運営会社はアメリカの投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」の買収を受け入れると発表しました。投資ファンドは約140億円を投じてTOBを実施し、すべての株式を取得する方針です。
50年以上にわたり多くの人に愛される人気施設は、今後どのように生まれ変わるのでしょうか?

人気施設ハワイアンズ 買収へ

福島県いわき市にあるスパリゾートハワイアンズ。
毎日開催されるフラダンスや、雨の日でも楽しめる屋内プール、さらに12種類ある温泉などが人気で、全126室の大型ホテルを有しています。

人気の理由を、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏
「東京都内近郊の6か所から、宿泊者専用の無料送迎バスが出続けている」
ことを挙げています。

スパリゾートハワイアンズは、1966年に「常磐ハワイアンセンター」としてオープンしました。当時はハワイ旅行が憧れだった時代で、ハワイ気分を満喫できると人気になりました。
しかし、バブル景気や円高でハワイ旅行に気軽に行けるようになると売上は減少。
そこで1990年に今の名称である「スパリゾートハワイアンズ」に変更し、1997年には思い切った作戦変更として‟江戸時代テイスト”の純和風の露天風呂もつくり、シニアから親子3世代まで客層を拡大させていきました。

近年ではコロナの影響もあり2021年は約27億1000万円の赤字になったものの、2022年は約6億4000万円の黒字、2023年は約9億3000万円の黒字と徐々に回復していました。

しかし東日本大震災やコロナ禍で借り入れが膨らみ、さらに施設の老朽化や電気料金の高騰で多額の資金が必要な状況は続いており、今回、投資ファンド「フォートレス」が140億円で買収することを発表しました。