「皇室を支えているのは家族。個人じゃなく家族…、家族があって国家が成り立つ」
『日本会議』には約260人の国会議員が名を連ねるが、多くが夫婦別姓に慎重だ。亡くなった安部元総理も生前に本会議と密接な関係にあった。おととしの春、参院選を前に安倍氏と百地氏にこんなやりとりがあったという。

『日本会議』 百地章 政策委員長
「日本会議がどの候補者を応援したらいいか、私が名簿を持って行ったわけですね。安倍さんがそれを見て、指さしながら、これ夫婦別姓(賛成)だからダメ。これも夫婦別姓だからダメって。×をつけていくわけです。僕もこれには驚きましてね…、目の当たりにしましたから。そこまで安倍さんは別姓制度に危機感を持っていた」
安倍政権下では夫婦別姓に賛成か否かが選挙結果に大きく影響したようだ。実は選択的夫婦別姓推進派の小泉進次郎氏や河野太郎氏も別姓反対の署名をした過去がある。
全国の神社の総元締め『神社本庁』に本部を置く政治団体『神道政治連盟』の内部文書を東洋経済新報社が入手した。それは『神道政治連盟』が選挙応援するための公約書だ。
「女性宮家創設には反対」「選択的夫婦別姓制度に反対」などいくつもの条件が記され、これに同意・署名すると支援を得られるというものだ。この文書では3年前の衆院選で234名(うち202人が当選)が推薦候補となったとある。小泉氏も河野氏もここに名があった。
『神道政治連盟』と関係の深い『日本会議』の百地氏は今回の総裁選での小泉進次郎議員の声明には驚きを隠せなかった。
『日本会議』 百地章 政策委員長
「小泉さんが総理になったら別姓法案を1年で作るとか言ってるのはとんでもないこと。これで私の態度は決まりました、彼に対する。岩盤保守から完全に見放されます。(中略)もちろん我が国の皇室は大事です。皇室を支えているのは伝統的には家族というものがある。個人じゃなく家族なんですね。家族があって国家が成り立つというのが我が国の伝統的な考え方です」
この話を聞く限り小泉進次郎議員は総裁候補として振り切った発言をしたといえよう。
田崎史郎氏はあえて選択的夫婦別姓をトレンドに選んだのは小泉議員の戦略だろうという。
岩盤保守をあえて敵に回した大勝負、吉と出るか否や…。
(BS-TBS『報道1930』9月9日放送より)