今回の中間選挙はバイデン政権にとってどんな選挙となりそうなのでしょうか?現地で取材をしているワシントン支局の樫元支局長に聞きます。

中間選挙は過去の例を見ると、時の政権に批判的な投票行動が強く出ることが多く、支持率が低迷するバイデン政権そして与党・民主党にとっては厳しい選挙になりそうです。ただ、ここに来て明るい材料も出始めました。

議会で暗礁に乗り上げていた気候変動対策法が急転直下成立し、銃規制も限定的ながら28年ぶりに前進しました。最大の懸念の物価高もガソリン価格が6月以降値下がりしています。

こうした影響からか7月以降、バイデン大統領の支持率はわずかですが上がっていて、CBSテレビの情勢分析では下院議員選挙で民主党がかなりの劣勢からやや盛り返してきているという結果も出ています。

Q.有権者が重視する争点は何なのでしょうか?

最大の争点は経済・物価高ですが、鍵を握りそうなのが中絶を巡る問題です。今年6月、連邦最高裁は半世紀近く認められていた女性の中絶の権利を覆す判断を下し、これを受けて主に共和党が強い州で中絶が極めて困難になってきています。

この状況に、党派を超えて反発が広がっています。

共和党支持者
「人の命の問題であって、国や州が干渉するべき問題ではないと思います」

民主党支持者
「私はカトリック教徒ですが、女性には自分のことを決める権利があるはずです。法律で規制するべきではありません」

世論調査では有権者の41%が中絶の権利を守るために投票すると答えていて、女性の権利を重視する民主党に追い風となる可能性も出ています。