SDGsにどう取り組んでいくべきなのか、次世代へのメッセージ

日比:改めて次世代の皆さんというかまさに私達に向けて、メッセージをぜひお願いしたいんですけれども。あと6年、SDGsにどう取り組んでいくべきなのか。

根本:SDGsって本当に間口が広いんですよね。一つぐらいは視聴者、読者の皆さんに、響く入り口ってあると思うんです。私の場合は食いしん坊なので、「食」。あるいは洋服も好きなので、ファッションの話。食とかファッションとか、サステナブルな形でどういうふうに取り組めるのかなと。この前、6月5日の世界環境デーの日、私は再生ポリエステルの洋服を着ていました。それはやっぱり自分の心もすごく豊かになるし、ストーリーが生まれると思うんですね。「これ、再生ポリエステルなの」「へえ、こんなふうにおしゃれな形になるんだ」と。あとはやっぱり地産地消。同じ野菜を買うんであれば、近くの農家が作ったものを買って、フレッシュで安い野菜を買って、それを使い切って食べ切るということを徹底してるかなと思います。

日比:本当に半径5メートル、いやもっともう1メートル、数十センチ、そこでできることがまだまだあるってことですよね。

根本:それと同時にやっぱり世界の状況を知る。そうすると自分のその地産地消っていうことと世界の食を巡る状況とを繋ぎ合わせて、自分自身が世界に繋がってるなっていう実感も生まれてくると思うんですよね。自分の暮らしであったり、自分の半径何メートルかの世界も違って見えてくると思うんです。

日比:なるほど。少し世界という立ち位置を一度意識するだけで、自分の近くも変わってくる。

根本:ええ、そうするといろんな情報もどんどん耳に入ってくる、目に飛び込んでくる。それまでは閉ざしていたかもしれないようなことが、響いてくるんですよね。それが共感であったり、もしかするとビジネスチャンスに繋がるかもしれない。

日比:新たな一歩を踏み出すことでいろんなチャンスが巡ってくる、その手段がSDGsであると。なんかちょっとわくわくしてきました。2030年までの6年ってどうですか。根本さんにとって長いですか、短いですか。

根本:いやあ、このSDGsは続かなくなっている地球を続けられる地球に変えていこうっていう壮大な計画だったわけですよね。それはそんじょそこらのね、努力だけで片付けられない課題だと思います。きっと2030年以降も続いていくんじゃないかなと思うんですけれども、これは未来永劫のね、努力になるんじゃないかなと思います。

日比:SDGsの目標達成、2030年までもうあとひと踏ん張り、みんなでふた踏ん張り、もうちょっとですかね、していきたいななんて思いました。ありがとうございました。

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<プロフィール> 
根本かおるさん
東京大学法学部卒業後、テレビ朝日で、アナウンサーや記者を務めたのち、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)にて、アジア、アフリカなどで難民支援活動に従事。その後、フリージャーナリストを経て、現在の国際連合広報センター所長に就任。