--久保木史朗さん(久保木畳店 15代目)「コースターがSNSを通じて、東京のお寿司屋さんが欲しいと。需要がないから減っていってしまうのかなというお悩みもあったんですけれども、商品を磨いて価値を高めれば、欲しいって言ってもらえるというのがすごく希望が見えました。」
畳を後世に残そうと活動する史朗さんにとって、一筋の光となった畳コースター。贈り物としても評判を呼び、今ではなんと120種類も製造しています。へりの部分に会津木綿を使った商品の他、須賀川市らしいこんなものも。
--久保木史朗さん(久保木畳店 15代目)「ウルトラマンの柄を使った畳縁を作っています。伝統的な矢羽根柄とバルタン星人を掛け合わせたデザインでして。」
--番組スタッフ「違和感ないですね。」
--久保木史朗さん(久保木畳店 15代目)「それがポイントでして、20年前にこういうのを作ってたんです。かわいいんですけど、子ども部屋ぐらいしか使うところがなくて。使える和柄に着目してこういうデザインにしました。」
畳の特性や雰囲気を大事にしながら、新たな切り口で現代に合う商品を開発しています。そんな久保木畳店ですが、去年4月、工場を一新。
工場見学やワークショップが体験できる他、ショップを設けるなど、気軽に訪れやすい工場へと生まれ変わりました。
--番組スタッフ「これはうまくいくっていう自信はありましたか?」
--久保木史朗さん(久保木畳店 15代目)「はい!なぜならそれは、上手くいっている例があるからです。常に大事にしているのが、成功事例に学ぶということでして。伝統産業だけでもだんだん衰退してしまっているけど、その中でもうまくいっいてる事例っていうのはたくさんありまして。いろいろ見て回って、やっぱうちもこれが必要だと決断に至りました。」
さらに和室を持たない人にも、畳に触れてもらおうとこんなスペースも。
--久保木史朗さん(久保木畳店 15代目)「こちらが畳のカフェです。家に和室が無い方も、ここに来て畳に触れてもらえるというところです。」
なんとカフェを経営。畳がふんだんに使われた店内は、ゆったりとくつろぐことができます。もちろんメニューにも並々ならぬこだわりが。
こちらは人気という『宇治抹茶ラテ(600円)』と『抹茶カヌレ(350円)』。京都から取り寄せているという抹茶は、注文を受けてから一杯ずつ丁寧に立てます。香り高いお抹茶が溶け込んだラテは、濃厚で美味。落ち着いた空間も相まって、これはかなりリラックスできそう。工場を一新したことで、より多くの人に畳の魅力を発信できるようになった久保木畳店。さらにこんな挑戦も。
史朗さんに連れられやってきたのは、お隣の玉川村。特殊な形の畳を何やら繋ぎ合わせています。
--番組スタッフ「なにを作っているんですか?」
--久保木史朗さん(久保木畳店 15代目)「畳のベンチです。」
作っているのはなんと『畳のベンチ』。
--久保木史朗さん(久保木畳店 15代目)「ここはですね玉川村の施設でして、10月にオープンする予定です。隈研吾設計事務所さんと一緒に考えて、こういうデザインは初めてです。確実に目玉になりますね。
そしてこちらは側面に畳を用いた『畳のカウンター』。従来にはない商品作りにも挑戦し、畳の可能性を次々と広げていく史朗さん。その活動は全国、そして世界へと広がっています。
--久保木史朗さん(久保木畳店 15代目)「海外にもチャレンジしたいと思って、4年間で27カ国から注文もらって、畳や畳関連の商品を輸出しています。」
日本の伝統である畳を海外へも発信。自ら足を運び、畳の魅力を伝え、その輪を広げています。
--久保木史朗さん(久保木畳店 15代目)「一番はやっぱり地元地域です。今までもそうだったので、これからもそれは一番大事にして。ただ畳業界全体のことを考える意味でも、国内外に畳の良さを広めていきたいと思っています。」
お店の壁にはこんな言葉が。“使命は畳を後世に残すこと、夢は畳を世界へ広めること。”畳の可能性は無限大です。
『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2024年9月5日放送回より)