カビだらけの空気が部屋中に…
吸い上げた空気が出ているはずのエアコン横の穴は、ほとんど機能していません。代わりに、床や壁の隙間から、床下の空気が直接流れ込んでいると考えられます。キッチンの配管付近を確認すると、床下の空気が隙間から流れ込んでいました。
長井さんは隙間に風速計をあてると、風速は秒速0.14メートル。通常だと、隙間が塞がれていれば0メートルだそうです。

壁の換気口を外してみると…ここも一面のカビです。
(長井良至1級建築士)
「カビだらけで、床下の空気が勢いよく出ています。カビの胞子と、後は大量の水蒸気です」

(鈴木さん【仮名】)
「床下がカビだらけで、その空気が出ている。言葉が出ないです」
長井さんによると、換気システムのずさんな取り付けで、床下の質の悪い空気が空調されないまま、部屋の中に溜まっていき、環境を悪化させている可能性が高いとのこと。
一般家庭の1か月の電気代の平均額は約1万2000円(2023年 3人世帯 総務省調べ)ですが、鈴木さん宅は12万5000円(2023年1月)もかかっているそうです。

トイレの換気扇は、取り付け間違いで外気を吸い込み、外から中に風が入ってきます。家の基礎には隙間も見つかりました。