日本人の平和は「8月になると、祈るもの」で、アメリカ人の平和は1年中「考え、行動して築き上げるもの」

ー小手鞠さんは、「ある晴れた夏の朝(偕成社)」や「窓(小学館)」など児童書も多数出版され、過去や現在の戦争や紛争について考えさせられる内容です。なにか「使命」のようなものをお感じなのでは、と推察しますがいかがでしょうか。

(小手鞠るいさん)
「使命と言えるほど、大袈裟なものではないです(笑)が、戦争・軍隊大国のアメリカで30年以上、暮らしてきて、日本国内で日本人が言っている『平和』と、アメリカの考える『平和』には違いがあるなーと常々、思っていて、この違いを日本の子どもたちに伝えたいと、物書きとして思っているのは、事実です」

「どう違うのか?というと、大雑把な言い方になりますが、日本人の平和は『8月になると、祈るもの(8月以外は忘れている)』で、アメリカ人の平和は1年中『考え、行動して築き上げるもの』ではないかと思います。また、日本人の戦争感はあくまでも、世界で唯一の被爆国であり、被害者である、ですが、本当は、中国大陸や朝鮮半島を武力で侵略した加害者である、という歴史的事実を、子どもたちにきちんと教えていく必要があると考えています」

ー父・川瀧喜正さんから「つい昨日のできごと」について、何かご意見やご感想などは届いていますでしょうか。

(小手鞠るいさん)
「ひたすら喜んでいます。93歳ですが、これでさらに長生きができる、と言っています。内容については、ひとことも口をはさむこともなく、『あんたの好きなように書いてくれたらええ』(岡山弁)とのことでした」