1993年、鹿児島県南さつま市金峰町の扇山地区で、20人が犠牲となった土砂災害から、きょう9月3日で31年になりました。

(記者)「山あいののどかな公園。31年前のきょう、この場所にあった民家を土砂が襲いました」

1993年9月3日、「戦後最大級」と言われた中心気圧930ヘクトパスカルの台風13号が、薩摩半島に上陸しました。

南さつま市は猛烈な雨に見舞われ、金峰町扇山地区で土砂崩れが発生。民家に避難していた20人の住民が巻き込まれて死亡しました。

(中堂薗さん)「遺体を運ぶときは、なんとも言えなかった」

当時のことを知る中堂薗信子さん(88)です。慰霊碑がある公園まで足を運ぶことはできませんが、その方角に向かって手を合わせると話します。

(中堂薗さん)「あの丘を見たら、みんなの顔を思い出す。ほんとに辛かった」

災害から31年となった3日は、毎年、この日に公園を清掃している会のメンバー5人も訪れました。

(南敏子さん)「自分たちの記憶として後世に引き継いでいきたいという思いで、公園をきれいにしている」

扇山地区は31年前、50人以上が暮らしていましたが、今は7人にまで減りました。

Q.花を手向ける人が少なくなっているのでは?
(扇山地区自治会長 畠中博文さん)「だいぶ少なくなったという感じだった。こればかりは仕方ないことで、高齢化が進んで、残された人たちで集落を守っていくしかない」

犠牲になった20人の名前が刻まれた慰霊碑。31年前にこの地で起きた災害を伝えています。