復旧、そして安全確認のために現れた「922形ドクターイエロー」

その山陽新幹線の新大阪~姫路間が運転再開したのは、発災から約3か月後の4月8日でした。その運転再開に先立ち、検査運転を行ったのが「ドクターイエロー」として知られる922形新幹線です。【画像④】のように、当時は0系タイプの車両でした。

【画像④】

3月30日、トンネルを出て新神戸駅に滑り込んできた922形です【画像⑤】。この日は山陽新幹線の新大阪~姫路間での走行試験でした。

【画像⑤】

当時の原稿によると、山陽新幹線は、尼崎~神戸間の9カ所で高架が崩れたといいます【画像⑥】。その原因は専門家によると、軟弱な地盤で地震波が異常に増幅したため、とのことでした。

【画像⑥】

時速30キロで検知・検測

山陽新幹線の走行試験は、この日の午前7時から始まりました。2カ月半かけて高架・線路の復旧作業を行い、線路の起伏やずれがないかなどを、車体の揺れやわずかな振動を検知・計測していくことで、確かめていきます【画像⑦⑧】。

【画像⑦】
【画像⑧】

そのスピードは時速30キロ。姫路駅を発車したドクターイエローは、ゆっくりとしたスピードで新大阪まで走ります【画像⑨】。

また、列車の通過に合わせて、補修したおよそ100ヶ所の高架の柱でも、振動の伝わり方を調べました。

【画像⑨】