1000年以上にわたり少数民族が栽培「普洱の景邁山古茶林の文化的景観」
コーヒーと並ぶ嗜好品飲料のお茶。その発祥は中国ですが、世界遺産になっているのが「普洱(プーアル)の景邁山古茶林の文化的景観」。
景邁山は雲南省普洱市にあり、1000年以上にわたって少数民族がプーアル茶を栽培してきました。そのため茶の古木が残っているのが特徴です。

2023年、サウジアラビアのリヤドで開かれた世界遺産委員会(年に一回開催される国際会議で、新しい世界遺産を決めるなど、世界遺産に関する最高議決機関)で世界遺産に登録されたのですが、参加者へのPRのため鮮やかな民族衣装の女性たちが、プーアル茶を振る舞っていたのが印象的でした。
ワインのような長期熟成が特徴で、年を経るにつれて味も変化し、数十年を超えるビンテージものもあります。ネットで調べると「30年物」は1グラムで数千円もする高価さなので、こうした点もビンテージワインと似ています。

もうひとつの特徴が「茶餅」という茶を固めたタイプがあること。円盤状なのは保存と持ち運びのしやすさからで、古くから交易品だった中国茶ならではの形です。