アンデス山脈に広がるコーヒー畑「コロンビアのコーヒーの文化的景観」
世界遺産というと遺跡や宮殿といった建造物、もしくは巨大な滝や氷河などの大自然というイメージですが、コーヒーやお茶といった飲み物に関わるものも結構あります。

そのひとつが、コロンビアの文化遺産「コロンビアのコーヒーの文化的景観」。アンデス山脈の高地に広がるコーヒー畑や農園が作り出す景観が世界遺産になっています。

斜度40度にもなる急斜面のため機械を導入できず、さらにコーヒーの実はひとつひとつ熟すタイミングが違うため、手摘みで選別しながら収穫していくという全くの手作業です。農園のほとんどが家族経営で、100年間、代々コーヒーを育ててきました。
コーヒーの実からはふたつの種が採れ、それを発酵・乾燥させます。農家はそれを「コーヒー・ハイウェイ」と呼ばれる道路で街へ出荷。

番組「世界遺産」ではコーヒーが集積されるマニサレスという街も撮影したのですが、コーヒーが生み、コーヒーによって栄えている街です。

コロンビアの人たちはコーヒー好きで、街の各所にカフェがあり、四駆を改造した移動カフェも街角に現れます。さらに国民みんなが知っているコロンビア・コーヒーのイメージキャラクター(ソンブレロみたいなつば広の帽子をかぶった髭のおじさん。常にラバと一緒にいる)までいて、独特のコーヒー文化があります。
こうしたコロンビアのコーヒー文化の象徴としての価値も認められて、アンデスのコーヒー畑と農園は世界遺産になったわけです。