大都市を襲うゲリラ豪雨…マンホールから水が噴き出し、道路が冠水。想定以上の大雨が降ったとき、私たちはどうすればいいのでしょうか?
内水氾濫とは? 東京都では10年間で約585億円にも上る被害
良原安美キャスター:
台風10号によって関東甲信地方で予想される雨量をみていきます。

【台風10号 24時間雨量の予想(関東甲信)】
●~29日(木)正午まで 80ミリ
●~30日(金)正午まで 150ミリ
●~31日(土)正午まで 200ミリ
※気象庁 午後2時発表
気象予報士の國本未華さんは「関東でも急に雨雲が発生して、短時間で激しい雨になることもある」としています。

都市部で大雨になると心配なのが「内水氾濫」です。内水氾濫とは、市街地に降った雨に、排水が追いつかず浸水してしまう現象です。
東京都では、内水氾濫の被害はかなり深刻なようです。過去10年間の水害による被害額の割合をみてみましょう。

国交省の「水害統計調査」(2013年~2022年までの10年間の合計)によると、都内では河川の氾濫などが約21%(約159億円)なのに対し、約79%(約585億円)が内水氾濫です。

8月21日に東京・港区付近で1時間雨量(午後7時まで)約100ミリを観測しました。記録的短時間大雨情報も出され、マンホールから水が噴き出す、道路が冠水する、地下鉄が冠水するなど、都内各地で内水氾濫が起こったのです。
なぜ都内ではすぐに冠水してしまうのでしょうか?

水害リスクマネジメントが専門で、東京大学名誉教授と河川情報センター理事長を務める池内幸司さんによると、「1時間100ミリの雨は排水能力を超えている。都市部はコンクリートなどに覆われていて水の流れが速く、10分かからず冠水することもある」ということです。

東京都は「地下調節池」という豪雨対策をとっていて、1時間75ミリの排水能力を目標に整備していますが、実際には50ミリほどで冠水してしまう場所もあるということです。
池内さんは「施設は機能しているが、今やそれを超える雨が降っている。いつどこで浸水が起きてもおかしくない」としています。
井上貴博キャスター:
都市部は地下街が多く、内水氾濫のリスクは高いですが、頑丈な建物もたくさんあるため、一時避難できる場所も多いという考え方もできるのではないでしょうか。

萩谷麻衣子 弁護士:
排水の点では、車を運転していて本当に危ないと思ったことがあります。平らな道だと思って走っていたら、実は都心の真ん中はすり鉢状の交差点になっていて、そこに入るとタイヤが水没しそうになりました。
「普段走っているところだから大丈夫」などと、安易なことを考えていてはだめだと思い知りました。
ホラン千秋キャスター:
特に「アンダーパス」は危険だと、従来からいろいろなところで聞きます。道のちょっとしたところがへこんでいて、立ち往生することもありますので、必要以上に警戒することは重要ですね。