費用・工期ともに米原ルートが有利だが…
小浜・京都ルートの3案と米原ルートを比較するとどうでしょうか?

米原ルートは2016年時点で建設費用は5900億円、建設に係る期間は10年程度となっています。建設費用が当初より大幅に増えた小浜・京都ルートに比べて、米原ルートは建設距離が短く、現在の設備を利用できることなどから費用が安く、工期も短くなりメリットが多いとされています。

また、名古屋方面へのアクセスの良さに加え、京都駅や新大阪駅で今の東海道新幹線のホームを利用できることは代替ルートとしての観点からも大きなメリットだと思います。
所要時間についてはどうなっているんでしょうか?

米原での乗り換えの時間を含まなければ、小浜・京都ルートの方が米原ルートよりも所要時間は10分程度短くなるとされています。しかし、小浜・京都ルートとなった場合、地下50メートルに設けられるホームからの移動時間は無視できません。

地下42メートルにある東京の地下鉄大江戸線・六本木駅のホームから地下2階にある改札までのエスカレーターでの移動時間は私の足で3分少々でした。地下50メートルから地上まででは、さらに時間がかかることから、ルートの差による実質的な時短効果はなくなります。

このほか小浜・京都ルートでは、宇治市にある巨椋池の干拓地に車両基地を置く計画ですが、ここは浸水被害の可能性があります。2019年に台風による豪雨で新幹線の車両が長野の車両基地で浸水する被害がありましたが、その二の舞になるのではと懸念する声もあります。

延伸後に運行にあたるJRは、どういう立ち位置でしょうか?