国内シェア95%!ほぼ全ての「どら焼き」を作るマシン

続いては、国民的和菓子の製造マシン工場へ!

『月刊食品工場長』木下統括デスク:
「日本で売られているどら焼きの95%を作っているマシン」

実は、私たちが目にするほぼ全てのどら焼きは、同じ機械で作られています。開発したのは、食品機械メーカーの『マスダック』。

埼玉県入間市の工場ではクッキーを焼く巨大オーブンから、団子のタレを付ける装置など、様々な食品マシンが作られていますが、その中でも“看板機械”とも言える大ヒット商品が、全長9mの巨大マシン「全自動どら焼機」です。

THE TIME,マーケティング部 原部員:
「あ!出てきました液体が。本当に全部均一ですね」

熱した銅板の上に、次々流し込まれていく生地。きれいな円形になるように粘度や量が細かく調整され充填されます。

そして銅板の温度にもこだわりが!

『マスダック』食品機械事業本部 川瀬輝雄さん:
「お客さまのニーズに合わせた焼き方ができるように、細かくガスバーナーが配置してあります」

生地を焼く銅板エリアにはバーナーが15個も!それぞれで火力設定ができるので焼き加減も、焼き色も自由自在なんです。

ちなみに、トラの縞模様の「トラ焼き」は、銅板の上に紙を敷いて焼けば、紙のしわでトラ柄の焼き色になるんだそうです。

銅板で焼かれながら流れていった生地は、途中で上からも火にかけられます。

こうすることで生地の中の空気を閉じ込め、ふっくらさせるのです。皮の断面を見ると無数の空気の穴。これが美味しさの秘訣なんです。

ひっくり返して両面焼いたら生地が完成。この焼きの技術は、海外企業でも注目され、パンケーキやホットケーキの製造にも使われているといいます。

焼きあがった生地は、上になる方と下になる方に分けられ、下の生地にあんこやバターなどの具を乗せ、上になる生地をかぶせたら完成です。

まるで手で一つ一つ手で合わせたかのように、上と下の生地がぴったりきれいにドッキングされているのも、“看板マシン”自慢のスゴ技。

『月刊食品工場長』木下統括デスク:
「ここ!このストッパー!これで受け止めて位置を決めている」

木下さんがドヤ顔で指さしたのは、マシンの随所に取り付けられている「位置決め装置」。ストッパーで生地を受け止め、ドッキング前にミリ単位で位置が調整されているのです。

案内してくれた川瀬さんから「さすが、その通りです」と褒められ嬉しそうな木下さん。

『月刊食品工場長』木下統括デスク:
「職人さんが1枚1枚焼いている、あの細かな技を機械で再現しようと思ったらこうなるという、それが見れたのが一番すごいと思います」