サイバー攻撃はますます巧妙化し、私たちの生活を脅かしています。

去年、個人情報の漏えいは4000万人分超え、不正送金の被害額は87億円余りと、いずれも過去最悪となりました。

私たちがすぐにできる対策はまず「手口を知ること」。
情報セキュリティの専門家が解説します。

コロナ禍でデジタル化進んだ一方で脅威も増加

「あらゆる機器や情報、データがつながり、業務の効率化や高度化が進みました。一方で技術の進展には必ずセキュリティの問題が伴います」

こう指摘するのは情報処理推進機構の小山明美グループリーダーです。

去年新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行しました。

人々の活動が活発化したことや、コロナ禍で進んだテレワークの普及などデジタル化が進行しましたが、その結果サイバー攻撃の被害も拡大しているといいます。

「繋がった会社同士や業務の流れ、そのどこかがサイバー攻撃を受けてしまうと、システム全体が停止しサービスが利用できなくなってしまう。昨年度もそういった事案が何件か発生しました」

サイバー攻撃は、決して他人事ではなく、誰もがその標的となり得ます。そのため、具体的な手口を知ることで、自らの身を守ることが重要です。

小山さんは、昨年度に発生したサイバーセキュリティに関係する事件事故の発生状況や被害の実態、国内外の動向を網羅した「情報セキュリティ白書2024」を編纂し、先月発刊しました。

ここからは、白書を基に身近なサイバー攻撃の手口を詳しく解説していきます。