人間ドラマを「綴る」こと

——高階先生(演:小泉孝太郎)のように「必要ならルールは変えろ」と考えていることはありますか?

前作の監督ではない人間が撮ると、だいぶ色が変わると思います。台本も違います。ただ、「これはちょっとルールが変わったのかな」と思うぐらいで、「絶対に変えてやる」みたいな気負いはないです。日曜劇場のドラマで、二宮さんが別のキャラクターで主役を演じて、さらに監督も新たなかたちで外から入るということ自体が、ルールを破ってやろうという意図を感じるので、プロデューサーにとってはすごい覚悟だったと思います。監督として指名していただいたので、自分がやりたいことに突っ込んでいくだけですね。気持ちよくやらせていただいています。

——天城雪彦のように「変えられない自分のスタイル」はありますか?

お芝居に対しては、正直に向き合っていきたいです。今回は1話から大仕掛けなシチュエーションでたくさん撮影してきたのですが、それはそれとして、やはり大事なのは人間ドラマを「綴る」ことだと思っています。それがちゃんと綴れていれば、見ている方も飽きないと思うんです。なので、そこに対してすごく正直に向き合って、とことん俳優さんとも向き合っています。撮影のときに時間がなければ、休憩やご本人の出番のないときに、「このシーンはこうした方がいいと思うけど、どう思いますか」というようなセッションをしてから撮る。そこに関しては一番自分の能力も発揮できるし、これからも負けずにやっていけるといいなと思っています。