明治時代に活躍し「鉄道の父」とよばれている山口県萩市出身の井上勝。

その井上がおよそ140年前に、イギリスの恩師に贈った品が萩市に寄贈されました。
寄贈されたのは、銀のパネルがはめ込まれた木製の小箱です。

井上勝は幕末、イギリスに密航留学した5人の留学生「長州ファイブ」の一人です。
明治時代、国内の鉄道敷設や技術者の養成を進めたことから「鉄道の父」と呼ばれます。
パネルに描かれているのは、「逢坂山トンネル」。
井上が指揮をとり1880(明治13)年、初めて日本人の手で工事を成し遂げたトンネルです。


留学時代の恩師で、ロンドン大学のウィリアムソン教授に井上自らが贈ったもので、日本とイギリスの交流や鉄道発達史の一場面を物語る貴重な資料ということです。保管していたウィリアムソン教授の子孫らが、教授の日記や手紙なども合わせ、5点を寄贈しました。

萩博物館・道迫真吾総括学芸員:
「井上勝がイギリスの恩師に贈った貴重な実物が萩市に託されたということで、保存と活用を両立できるように努めて参りたいと思っております」

来年3月に萩博物館で始まる企画展で、展示される予定です。