高齢化、過疎化が進む中山間地域では、荒廃農地が課題となっています。そうした大きな課題とも向き合うのが、サークル「里山焼かんかね?」のメンバーです。

島根大学サークル「里山焼かんかね?」木津たお さん
「(焼畑農法は)肥料もいらないし、除草もあまり手間がかからないし、害虫もつかない、しかも耕す必要もないので、耕作放棄地とか大変になってしまったようなところでも、あまり手を掛けずに農業ができる点で、島根に合っていると思う」

現在、奥出雲町の国営開発農地で遊休化している土地は、82.8ヘクタール。年々、増加傾向にあります。

そんな中、奥出雲町と島根大学の学生がタッグを組み、焼畑農法の実証実験に取り組みました。

火入れをしてからおよそ1時間半。
ススキが生い茂っていた土地は燃えた灰で真っ黒になりました。

島根大学 小池浩一郎 名誉教授
「(小さな虫が)低空飛行してブンブン飛んでいる。場所によっては、特有のちょっと甘いような匂いがする。虫は匂いに敏感だから、土がこんがり焼けて、有機物がガスみたいになって、その匂いで、どうも来るみたいだなと」

焼畑を終え、再生された土地にメンバーが撒くのは奥出雲町に残る希少品種「横田小そば」の種。この地では、古く、たたら製鉄に使う木炭用の木材を伐採した後、焼畑をし、ソバを育てていたといいます。

島根大学サークル「里山焼かんかね?」木津たお さん
「無事に焼けてよかった。この後、みんなの撒いたソバが実って、来年につながればいいなと思う」

ソバの収穫は10月末ごろの予定。若者たちが着けた火種が、中山間地域の課題解決につながるか。島大サークル「里山焼かんかね?」の今後の活動に期待が高まります。