ウェハの研磨時間を『3分の1に』
続いては、半導体分野。

出迎えてくれた永岡さんと吉田さんは、熊本大学などと共同で、半導体の基盤となるウェハを研磨する装置を開発しました。

県産業技術センター 永岡昭二 研究参事「この装置を使うことによって、1発で粗削りから鏡面化まで1工程でワンストップでできる装置です」
ウェハの表面に凹凸があると動作不良が起きるため、表面を1000万分の5ミリというレベルでなめらかにしなければなりません。

その作業には24時間かかっていましたが、永岡さんたちは3分の1ほどの時間に縮めることができました。
永岡さんたちが目をつけたのは『キトサン』という成分です。
永岡 研究参事「カニの甲羅・エビの甲羅とかの主成分となります。酸性度の高い 塩酸・酢酸とかに良く溶けるような多糖類になります」

キトサンの溶けやすい性質を生かし、キトサンとダイヤモンドを合わせた大きな粒で「粗削りする段階」と、キトサンを溶かしダイヤモンドだけで「細かくする段階」を“やすりの交換なし”でできるという仕組みです。
この仕組みで永岡さんたちは特許を取得しました。