今回は、モノづくりを陰で支える研究施設。
1万分の1ミリを計測できる装置を活用したり、半導体関連の技術で特許を取得したりと、今 注目の場所を取材しました。
【ナノの世界】10円玉にこんなデザインが!?
熊本県産業技術センターは、県内企業など約1000社のモノづくりを技術面でサポートしている県の施設です。
県産業技術センター 山口良一 研究主任「なかなか中小企業が導入できないような設備を使って企業の製品の測定や分析をしています」

その設備の一つが、凹凸の高さを1万分の1ミリ単位で計測できる『レーザー顕微鏡』です。どれだけ精密なのでしょうか。
山口さんが取り出したのは10円玉。これを使って、肉眼ではなかなか見ることができない所を見るというのです。
顕微鏡の10円玉に描かれた平等院鳳凰堂の屋根に…。

記者「何かいますね」
山口研究主任「そうですね。鳳凰がこちらにいます」
肉眼では点にしか見えない、屋根の上の装飾。顕微鏡で見てみると、屋根の上には小さな鳳凰が。

肉眼では凹凸があるかは判断がつきません。レーザー顕微鏡はその凹凸を計測できるのです。
山口研究主任「75マイクロメートル(0.075ミリ)程度の高さとなっていることが分かります」
この顕微鏡では100ナノ=1万分の1ミリ単位で測ることができます。
この顕微鏡は、これまで熊本県内の企業が手がける「車を製造するための装置の部品」など、わずかな誤差も許されない製品の検品作業に活用されていて、製品の精密さを裏付けています。
こうして県内企業を技術面でサポートしている産業技術センターでは、食品の商品開発も進められていて、年間7,8件ほど商品化されています。
