海面水温?エルニーニョ? 「モンスーンジャイア」の背景は不明 

特に東日本の台風シーズンに大きな影響をもたらす「モンスーンジャイア」は、どういったときに形成されやすいのでしょうか。

横国大・台風科学技術研究センター 佐藤正樹副センター長
「偏西風の蛇行によるものだとはわかっていますが、どういう状況だとそうなるのかというのは、はっきりとはわかっていません」

その背景は謎に包まれているといいます。横国大・佐藤センター長が注目しているのは「海面水温」です。

横国大・台風科学技術研究センター 佐藤正樹副センター長
「日本の周りでは海面水温が非常に高い状態というのが続いています。このことが大気の動きに影響し、普段とは異なる動きをもたらすというのは、要因として考えられる事だと思います」

一方、気象庁・異常気象情報センターの田中昌太郎所長が注目しているのは「エルニーニョ現象」との関係です。

気象庁・異常気象情報センター 田中昌太郎所長

気象庁・異常気象情報センター 田中昌太郎所長
「モンスーンジャイアは、岩手に台風が初上陸した2016年8月にもみられていました。8年前の8月と今月の共通点は、どちらもエルニーニョ現象が終息した後の夏だということです。エルニーニョ現象がモンスーンジャイアとどう関係しているのかはわかりません。今後調べていく必要があると考えています」

田中所長は「モンスーンジャイアができやすい条件を知ることができれば、台風の予想などにも役立つかもしれない」としています。

台風7号は、暴風域を伴い、非常に強い勢力となって関東や東北に接近する見通しです。計画運休などが発表されているほか、国交省は「停電や断水も視野に入れて準備を進めてほしい」としています。気象庁も「台風の心構えを一段高めてほしい」と危機感を示しています。

天気が荒れる前に台風の準備を進め、暴風や土砂災害、低い土地の浸水などに厳重に警戒するようにしてください。

(本記事に記載した予報は15日午後6時時点)