台風7号が非常に強い勢力となって関東などに接近する予想です。月曜日には台風5号が岩手県に上陸したばかり。本州の東側からの台風の接近が相次いでいます。実は、東側からの接近は過去にそれほど多くなく、上陸は過去3例しかありません。そんな珍しい東側コースの台風が相次いでいるのはなぜなのでしょうか。その理由は、日本の南海上に生まれた”巨大な渦”にあるといいます。
3例しかない東北太平洋側への上陸 岩手県で記録的大雨
月曜日に岩手県に上陸した台風5号は、自転車並みのゆっくりとしたスピードで東北地方を横断しました。
気象庁によりますと、1951年の統計開始以降、東北の太平洋側から日本に上陸したのは、わずか3例目です。初めて東北太平洋側に上陸したのは、2016年8月。岩手県に上陸したその年の「台風10号」は、北海道と岩手県に記録的な大雨をもたらしました。経験のない台風上陸に自治体は混乱。避難指示や勧告を発表しなかったことなどが原因で、27人の死者・行方不明者を出しました。
2例目は、2021年7月に宮城県から上陸した「台風8号」。当時行われていた東京オリンピックの競技日程が変更となる影響が出ました。
今回の「台風5号」は、台風本体が上陸する前から岩手県上空に湿った空気が流れ込み、久慈市で平年の8月1か月分の2倍を上回る雨量となるなど、記録的大雨なりました。
青森県の太平洋側や福島県、茨城県には、これまで台風が上陸したことがありません。日本の上空には偏西風と呼ばれる強い西風が吹いているため、日本列島に近づく台風の多くは南西側から近づいてきます。そのため気象庁の担当者は「台風が本州の東側から接近・上陸するのは珍しい」と話します。しかし、この8月は5号から8号まで日本の東側で発生。7号は非常に非常に強い勢力となって東日本や東北へ接近する予想です。

なぜ珍しいコースを取る台風が相次いでいるのでしょうか。横浜国立大学・台風科学技術研究センターの佐藤正樹副センター長に詳しく聞きました。