また、伯父の手記の中で、引き揚げ当時の母が7か月の身重だったことを平野さんは初めて知りました。


平野さん
「母親は93歳まで生きて私と一緒にいた。向こうで逃げてくるときに生まれて亡くなった一番下の妹。その子のことは一切言わなかったから知らんかって、この本を見て初めてこんなことがあったのかと。もちろん戸籍にもないし。母親に満州のこと教えてって言ったときには忘れてしまったって言わんかった、言ってくれんかった。言いたくなかったんやと思う」