朝日新聞元記者の川端さんは今、南西諸島で急速に進む自衛隊配備の問題もあの事故と同じ地平にあると指摘します。
▽元朝日新聞記者・川端俊一さん
「南西諸島防衛という言葉が新聞によく登場しますけど、決して島を守ったり人々を守ったりするためのものではなくて、米中の覇権争いのひとつの足場として、この島々を使おうとしている」「ほとんどの国民が支持している安保体制、中身は本当にこのままでいいのかということを本土のメディアはもっともっと問いかけなければならない」

「それが象徴的に表れたのが沖国大ヘリ事故の、ヤマトと沖縄のメディアの報道の差、というところに、かなりはっきり現れたんじゃないかなという風に私は思っています」
▽湯浅(旧姓・嘉手川)由紀子さん(当時RBC記者)
「当時はこの事故によって普天間基地が一刻も早く閉鎖されるのではないかという強い期待感を持っていたんですけど、今このようにしてみるとやっぱり変わらなかったんだなという、落胆の気持ちの方が大きいですね」
RBCの記者として、墜落事故の取材にあたった湯浅さん。県外で生活する今、事故を伝え続ける意味を強く感じています。

「ヘリ墜落事故、本土の方ではあまり認識もされていませんし、大きく報じられることもないんですけど、こうした節目節目に伝えていくこと、こういう大きな事故があったことを伝えていくことは、報道の使命だと私は思います」
<取材MEMO>
「危険と隣り合わせの生活」を強いられていることが、最も恐れていた形で現実のものとなった沖国大へのヘリ墜落事故は、本土のメディアがどういう目で沖縄を見ているのかもあらわにした事故だったように思います。事故から20年、普天間基地は今も変わらず運用が続いています。(取材 平田俊一)