協議後に「相続人」が出てきたら“やり直し”

まず「相続人の確認」は、一般的な家庭でいうと、配偶者、夫、妻、子が相続人、民法で決められた相続人となります。ただ家庭によって色々な事情がありますので、複雑な家もあります。よくあるのが「再婚」。前の結婚でそこにも子どもがいたというご家族だと、前の結婚で産まれた子も相続人になるんです。

例えば夫側が1回目の結婚で子どもが2人いて、2回目(今)の結婚で子どもが2人いますという場合。その夫の相続人は1回目の結婚の子ども2人と、今の結婚の配偶者と今の子ども2人、の5人になります。

離婚したからといって、子どもを自分が引き取る・引き取らないに限らず、子は相続人に入りますので、相続の現場で色々考えるときに、前の結婚の子どもを相続人に入れないで、今の自分たちの家族だけが相続人だよね、と考えてしまうと、後々で相続の遺産分割協議がまとまったあとに、「私たちも実は相続人なんですよ」と出てきたら、遺産分割協議をまたやり直ししないといけなくなるんですよ。

ー何か月もかけて協議しても?

そう。だから事前に分かっているほうがいいので、集まったタイミングで、前妻・前夫がいる場合は、どういった人で、今連絡が取れるのか、今どこに住んでいる?などが確認できれば…

ーー聞きづらいですね!

でもこれを聞いておかないと、後でもめます。当事者の方は本当に、確認してください。お盆以外の時期でもいいですが、(聞いておかないと)そういうトラブルになる可能性があることは認識していただきたいです。

にぎやかなお盆中には聞きにくいかもしれないが…

あとは「養子縁組」です。戦後の色々な状況で、ご家族・身内で、養子縁組をカジュアルにしている時期がありまして、知らないうちに自分のお父さんが誰々の養子になっていたとか、逆に誰々さんを養子に入れていた、といったこともあるんです。なので、養子縁組を確認してほしい。戸籍謄本とかで確認できる。これも、相続がいざ発生したときに、「もう1人いたよ」、となったら協議がやり直しになるんですよ。この人を無視して物事を進めることはできません。

養子縁組をしていて名前や連絡先が分かるのであれば、事前にメモしておいて、いざとなったらすぐに連絡できるようにしておいていただけたらと思います。

ーー皆集まっているときは確認しやすいですね

「そういえば(相続人になる人が)いたよね」という話、できるよね?皆大人だから(笑)。もめないために聞く、という大前提で、確認するようお願いします。