理由は「外側からの推測」
「長崎市の判断の理由は基本的には『警備上の理由』になっている。もしかしたら市民が知りえないテロの情報等があったのかもしれないが、国際政治上の理由は、あくまでも《外側からの推測》になる」
「世界平和を訴える被爆地長崎としては、『イスラエルに自衛権はあるが今のやり方は受け入れられないんだ』と、はっきりと説明した上で招待するかしないか別途判断すれば、そこから対話が始まったと思う。それが『警備上の理由』の話にすることで対話のきっかけを失わせてしまったのではないか。感情的な議論になってしまったのは非常に残念」
「平和宣言」ではイスラエル名指しを削除
ことしの式典で長崎市長が読み上げた「長崎平和宣言」で、市は素案にはあったイスラエルの国名を最終的に除外しました。
【長崎平和宣言・素案】(抜粋)
「核保有国のロシアと核保有疑惑国のイスラエルを当事国とする2つの大きな戦闘が同時進行する中で、核兵器の使用をためらわない姿勢を示し続けているのです。」
【長崎平和宣言】(抜粋)
「ロシアのウクライナ侵攻に終わりが見えず、中東での武力紛争の拡大が懸念される中、これまで守られてきた重要な規範が失われるかもしれない。私達はそんな危機的な事態に直面しているのです」
被爆者や有識者らが意見を出し合う平和宣言文起草委員会では、委員からガザで起きている人道危機への言及と共に、イスラエル国名の明示を求める意見も出ていました。しかし市は「一部の国のみを列挙するとバランスが取れない、訴えたいことがかすんでいくのではないか」などとして、イスラエルの国名を除外ー、しかしロシアは残しました。

そして式典には警備上の理由でイスラエルを不招待。一方で、去年10月イスラエルに大規模攻撃をしかけたハマスの拠点があるパレスチナ、そしてハマスを支援するイランは招待し両国とも参列しました。