1918年にノーベル賞を受賞したフリッツ・ハーバー。
人類を食糧危機から救った人物だ。一方で「化学兵器の父」とも呼ばれる。
第一次世界大戦で広く使われた新たな兵器がある。大量破壊兵器『毒ガス』だ。
この開発を主導した人物こそ、ハーバーだった。
人を死に至らしめる毒ガス兵器は第二次世界大戦中、さらなる被害を生む。

ポーランド南部にあるアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所。
かつてユダヤ人の大量虐殺が行われた場所だ。
ナチス・ドイツによって虐殺されたユダヤ人は、約600万人。
そのうち10万人がアウシュビッツで殺された。
この大量虐殺を可能にしたものは毒ガス「ツィクロンB」。
わずか20分で人を死に至らしめる猛毒だ。

今回、14歳の時にアウシュビッツに送られ過酷な肉体労働を強いられた
アレク・ハーシュさん(95)に話を聞くことができた。