仕事も育児も全力の真面目な楠見の着こなしはTPOを意識

一児のパパでもある天才エンジニア・楠見のスタイリングにも注目してみよう。最初に台本を読んだ際には、「もっと無表情で堅苦しいイメージだった」と口にする遠藤氏だが、キャラクターを作り上げる中でどんどんと柔らかい一面も見えるようになったそうだ。それは作中の衣装の変化にも現れており、物語序盤で西園寺が働く「レスQ」に転職したばかりの楠見は、ジャケットで革靴といいわゆるビジネスマンスタイル堅い装いだったが、話数を重ねるごとに少しずつ服装にもカジュアルさも出てきた。
「レスQ」は気鋭のベンチャー企業のため、社員の服装もかなり自由。社員の武田英美里(横田真悠)が着用するおしゃれでカラフルな服装でも問題ないのだが、岩崎プロデューサーのリクエストもあり、律儀で真面目な楠見には、松村の体格に合わせたピッタリサイズの襟付き服を選ぶようにしているという。さらに、「クールビズが浸透して、街中で夏にネクタイをしている人はあまり見かけなくなりましたし、店舗のラインナップもクールビズ商品が中心。なので、襟付きといっても半袖シャツやポロシャツなどを使用するようにしています」と、現代ならではのビジネス服を意識する。

一方で、パパの顔を見せる時の楠見の普段着は、基本Tシャツにイージーパンツスタイルとシンプルで動きやすい服装だ。「ほとんどの父親がそうだと思いますが、子どもと公園で遊ぶのに格好つけた服では行かないですよね。基本子どもファーストなスタイリングですが、TPOにも気をつけていて、第3話で亡き妻・瑠衣(松井愛莉)の実家に行く時や、ルカの誕生日パーティーで保護者を家に招くようなシーンの時は、カジュアルだけど襟がついている服にしています。楠見ならそこに真面目さが出るだろうなと」と、イメージを膨らませる。