静岡のいまを深掘りするインサイト、「わたしの防災」です。
夏山シーズンで賑わう富士山。日本一高い山であると同時に、国内最大級の火山でもあります。登山中に噴火したら、どう行動すれば良いのでしょうか?
3年ぶりに行動制限がない夏山シーズン。富士山は連日、登山客で賑わっています。
噴火の恐れがある国内49の火山の一つとして「噴火警戒レベル」が導入されていますが、そのことは忘れられがちです。
<登山客>
(Q富士山の噴火警戒レベルは?)
「2?」
「噴火警戒レベル?全然知らないです。高いんですかね、もしかして」
「噴火警戒レベル」は、火山活動の状況に応じて5段階あります。2022年7月に噴火した鹿児島県の桜島は、レベル3「入山規制」から最も高いレベル5の「避難」に引き上げられました。
一方、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山では2014年、レベル1のまま噴火し、死者・行方不明者が63人にのぼる災害になりました。
富士山は、これまで「レベル1」から引き上げられたことはありませんが、火山である以上、いつ噴火しても不思議ではないのです。
<静岡県危機情報課 油井里美課長>
「富士山の火口範囲が、どこで噴火するか全く分からない状態。その時に自分がどのように避難したら良いかということを、ルートを描いてる」
登山中に噴火したら、どう行動すれば良いのか?県は、火口の範囲や溶岩の流れる方向を示した避難マップを作成しています。
ただ、富士山はどこから噴火するのか分からないため、10パターンを作成。その10パータンも、数ある想定の一部に過ぎません。
<静岡県危機情報課 油井里美課長>
「自分の位置よりも下で噴火する可能性もあるかもしれないし、どこで噴火するかというのは、噴火してみないと分からないというが現実」
例えば、富士宮口五合目から山頂を目指して登山中に、今いる場所より下で噴火した場合、溶岩や火砕流は登って来た道を覆ってしまう恐れがあります。この場合、ほかの登山ルートを選んで下山する必要があります。火口から距離を取りつつ、噴石にも注意が必要です。
<静岡県危機情報課 油井里美課長>
「ザックなど、自分の持っているもので、頭を守り、建物や岩陰に隠れることをお願いしたい。ゴーグルであるとか、マスクも着用し、火山灰が入らないように気を付けてほしい」
建物や岩陰に避難し、間に合わない場合はザックなどで頭を守ります。また、火山灰を吸わないように、マスクや濡れハンカチで口を覆うことも大切です。静岡県は、登山者にヘルメットや手袋の着用などを推奨しています。
<静岡県危機情報課 油井里美課長>
「美しい山なので、みなさん登りたいという気持ちはたくさんあると思うが、火山であることを知ってもらい、安全に心掛けて登ってほしい」
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